検査は異常なし、でも「ふわふわ感」が続いている
「なんとなくふらつく日が続いている」
「朝は平気でも、人混みに行くとグラグラする」
「耳鼻科では異常なし。でも、やっぱり気になる」
そんな「ふわふわした感覚」に悩まされていませんか?
病院をいくつも回った。でも、原因がわからない。
-
「耳は異常なし」
-
「脳の検査も異常なし」
-
「自律神経の問題かも…?」
それでも、毎日のふらつきが続くと、やっぱり不安になりますよね。
実はこうした症状には、ある一定のパターンがあります。
特徴的なのは、こんなケースです。
-
立っているとふらつくが、寝ていると楽になる
-
スーパーや駅など、視覚刺激の多い場所で悪化する
-
ちょっとした動きでクラッとする
-
常に“緊張している”ような感じが抜けない
-
ストレスや疲れが引き金になる
こうした症状が続く方は、身体の不調と脳の過敏な反応が複雑に絡み合ったタイプの「慢性めまい」かもしれません。
実は最近、こうした症状に名前がついています。
それが、「持続性知覚性姿勢誘発めまい」。
専門的には「PPPD」と呼ばれ、2017年に診断基準が提唱された比較的新しい概念です。
これは、
-
過去のめまい発作(例:良性発作性頭位めまい症)
-
ストレスや不安
-
長く続く心身の緊張状態
などをきっかけに、脳が“警戒モード”のまま戻らなくなってしまう状態と考えられています。
「気のせい」ではありません。
PPPDのような状態は、検査では問題がなく、
「気のせい」「年のせい」「更年期だから」と済まされがちです。
でも、そうではありません。
これは、身体と心の両方が関係する“脳の反応のクセ”のようなもので、
正しい理解とアプローチによって改善を目指せる状態です。
治療に関して
まず大切なのは、「自分の症状に名前がついた」という安心感です。
その上で、治療の一例として:
-
SSRIなどの薬物療法
-
考え方や不安へのアプローチ(認知行動療法)や前庭リハビリテーションも効果的と言われています。ただし、現時点で当院周辺では、認知行動療法や前庭リハビリテーションを提供できる医療機関は限られているのが実情です。まずは「この症状にちゃんと向き合ってくれる場所がある」と思っていただけるよう、丁寧な診察を心がけています。
📝 まとめ
✅ 理由のわからない「ふわふわ感」や「ふらつき」が続いている
✅ 検査では異常がなかった
✅ でも、日常生活に困るレベルでつらい
-
「どこに相談してよいかわからなかった」
-
「原因が見つからず、あきらめかけていた」
そんな方も、どうぞお気軽にご相談ください。