メニュー

【欠乏シリーズ 第五弾】こむら返り・不整脈・便秘…マグネシウム不足の可能性は?

[2025.06.26]

“体の潤滑油”が足りなくなると、不調がじわじわ現れる 

日々の診療の中で、「足がよくつる」「脈が乱れる感じがする」「便秘が続く」といった訴えを聞くことがあります。

実は、こうした症状の背後に、「マグネシウム不足」が隠れているケースが少なくありません。

今回は、体内で多くの働きを担うミネラル「マグネシウム」と、その欠乏によって起こる症状について解説します。

🔻 マグネシウムは“生命の潤滑油”

マグネシウムは300以上の酵素反応をサポートし、筋肉・神経・心臓・血管・腸管のはたらきに関わる重要なミネラルです。

カルシウムやカリウムとのバランスを保つことで、体のリズムを滑らかに保ちます。

🔻 不足するとこんな症状が…

  • こむら返り(筋けいれん)
     ふくらはぎなどが突然つる痛み。とくに夜間や運動後、高齢者や妊婦に多く見られます。マグネシウムは筋肉の興奮を抑える役割を持っており、不足すると異常な収縮が起こりやすくなります。

  • 不整脈・動悸
     マグネシウムは心筋の電気的安定に不可欠です。不足すると心房細動や心室性期外収縮、QT延長といった不整脈が現れ、重症例では命に関わることもあります。

  • 便秘
     マグネシウムは腸の動きを助け、水分を引き込んで便を柔らかく保つ作用があります。不足すれば腸が動きにくくなり、便が硬くなって排出されにくくなります酸化マグネシウムは実際に便秘薬として使用されています。

🔻 他にもある“隠れたサイン”

  • 筋肉のぴくつき(まぶたや顔面のピクピク)

  • 手足のしびれ

  • イライラ・不安感・集中力の低下

  • 慢性的な疲労感

こうした“なんとなく不調”が続く背景に、マグネシウム欠乏が関係していることがあります。

🔻 マグネシウムが不足しやすい人は?

  • 糖尿病アルコール多飲の方

  • 消化管疾患(下痢・吸収不良)のある方

  • 利尿薬やPPI(胃薬)などを服用中の方

  • 高齢者・低栄養状態の方

🧪 血液検査で評価できます

「血清マグネシウム濃度」の測定で、欠乏の有無を確認できます。
ただし、マグネシウムは主に細胞内にあるため、血中値が正常でも“隠れ欠乏”が存在することがあります。

🌿 食事と補充のポイント

以下の食品にマグネシウムが多く含まれます:

  • 海藻類

  • ナッツ類

  • 大豆製品

  • 玄米

  • 緑黄色野菜

必要に応じて、内服や点滴による補充を行います。
特に腎機能が低下している方では、医師の判断に基づいた補充が必要です。

🔍 まとめ

マグネシウムは、筋肉・心臓・腸の機能を支える“体の潤滑油”。
その不足は、こむら返り・不整脈・便秘といった不調のサインとして現れます。

当院では、電解質を含む血液検査や適切な治療を通じて、こうした不調の背景にある原因を丁寧に探っています。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME