「貧血」の逆、濃すぎる血──それが「多血(たけつ)」です
「貧血」はよく聞くけれど、「多血(たけつ)」はあまり聞き慣れない言葉かもしれません。
でも、実はこの“血が濃すぎる”状態も、身体にとってはリスクになることをご存じでしょうか?
■ 多血症とは?
医療現場では「多血」とは、血液中の赤血球が基準より多い状態を指します。
赤血球は、体中に酸素を運ぶ“トラック”のような存在です。
「貧血」はトラックが不足している状態。
一方、「多血症」はトラックが多すぎて血液の流れが悪くなり、渋滞しているようなイメージです。
多血症の主な症状
初期には無症状のこともありますが、以下のような症状が見られることがあります。
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顔が赤くなる(特に頬や鼻など)
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頭痛、めまい、耳鳴り
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手足のしびれ、かゆみ(特に入浴後)
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倦怠感や集中力の低下
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視界がかすむ、一時的に見えにくくなる
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呼吸が浅くなる、息切れ
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血栓症(脳梗塞や心筋梗塞など)のリスク増加
これらは「血液がドロドロになっている」ことで、全身の血流が悪化しているサインかもしれません。
どんな人に多いの?
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喫煙者(慢性的な酸素不足)
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睡眠時無呼吸症候群のある方
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脱水状態が続いている方(見かけ上、血液が濃くなる)
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高地に住んでいる方(酸素が薄いため赤血球が増える)
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薬の影響(薬剤性):男性ホルモン製剤(テストステロン)などで赤血球が増えることがあります。
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真性多血症(骨髄の病気)など、病気が原因で起こることもあります
■ 貧血 vs 多血症──“血”もバランスが大事
状態 | 特徴 | 主な症状 |
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貧血 | 赤血球が少ない | 疲れやすい、息切れ、めまいなど |
多血症 | 赤血球が濃すぎる | 頭痛、赤ら顔、かゆみ、血栓のリスク |
血液は「ちょうどいい濃さ」がベストなのです。
■ 気になる方は、ご相談を
当院では、健康診断での数値異常のご相談はもちろん、
症状がなくても「なんとなく気になる」という方の受診も歓迎しています。
赤血球が多いからといって、すぐに治療が必要とは限りません。
“なぜそうなっているのか”を一緒に考えることが大切です。
🌿「少なすぎても、多すぎても、どちらも不調のサイン」
そんな体の声に、耳を傾けてみませんか?
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。