【欠乏シリーズ 第二弾】それって鉄が足りないのでは?
前回の「亜鉛欠乏」に続く 、欠乏シリーズ。
今回は「鉄」についてのお話です。
✅ 鉄が足りないとどうなる?
鉄が不足すると、最終的には「鉄欠乏性貧血」に至ることがあります。
しかし実際には、貧血になる前から体にさまざまな症状が現れることも少なくありません。
こんな不調に心当たりはありませんか?
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朝から疲れている・だるい
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息切れしやすい
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イライラしやすい
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髪が抜けやすい・肌が荒れる
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なんとなく気分が落ち込む
こうした症状の背景には、フェリチン(=身体の中の貯蔵鉄)の不足が隠れている可能性があります。
✅ 「鉄不足」は血液検査でわかります
当院では、必要に応じてフェリチンを含む血液検査を行っています。
フェリチンが低ければ鉄欠乏と診断されます。
✅ 男性・閉経後女性は「出血源の検索」が大切
女性では月経による鉄の喪失がよく見られますが、
男性や閉経後の女性で鉄欠乏がある場合は要注意です。
その理由は、消化管(胃や大腸)からの出血が隠れていることがあるからです。
具体的には:
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胃潰瘍
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胃がん・大腸がん
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痔の出血 など
鉄欠乏=単なる栄養不足とは限らず、重大な病気のサインであることもあります。
✅ 当院での対応について
当院では、鉄欠乏の診断と治療(鉄剤処方+原因精査)を行っています。
胃カメラ・大腸カメラは施行しておりませんが、必要に応じて適切な医療機関へご紹介いたします。
また、女性の場合は婦人科での受診が必要となるケースも多くあります。
📌 まとめ
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「貧血がなくても」鉄欠乏は起こり得ます
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鉄欠乏は血液検査でわかります
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疲労感や気分の不調の背後に、「フェリチン低値」が潜んでいることもあります
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特に男性・閉経後女性では、消化管からの出血の可能性に注意が必要です