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🩺 生活習慣病シリーズ 第四弾:高尿酸血症

[2025.04.22]

「風が吹いただけで痛い」──それが痛風

「痛風(つうふう)」という病名の由来、ご存じですか?

昔の中国で、風が吹いただけでも激痛が走ることから、
「風にあたると痛む=痛風」と名付けられたといわれています。

実際、痛風の発作は
「靴が履けない」「布団がかかるだけでつらい」ほどの激痛をともないます。

でも、そこに至る前に、私たちにはできることがあります。

「健康診断で尿酸値が高めですね」と言われたことはありませんか?

症状がないし、痛風にもなったことがない。
「じゃあ、今のところ大丈夫でしょ」と、そのままにしていませんか?

実は、高尿酸血症は放置すると「痛風」だけでなく、
腎臓や血管にダメージを与える可能性があることをご存じでしょうか?

尿酸とは?

尿酸は、体内の「プリン体」という物質が分解されてできる老廃物です。
プリン体は、細胞の新陳代謝や、食事(特に肉・内臓・アルコール)にも多く含まれます。

通常は腎臓から尿として排泄されますが、
尿酸がつくられすぎたり、排泄がうまくいかなくなると、血液中の尿酸値が上昇してしまいます。

高尿酸血症は、なぜ問題?

血液中の尿酸が多い状態が続くと、尿酸が結晶化し、関節や腎臓にたまりやすくなります。

  • 🦶 有名なのは「痛風」──足の親指に起きる激痛の発作

  • 💡 でも、それだけではありません:

    • 腎機能の低下(腎障害)

    • 動脈硬化の進行(心筋梗塞・脳梗塞のリスク)

    • 尿路結石の発症

これらの「静かなダメージ」が、知らないうちに進行してしまうことがあるのです。

でも、薬は必ずしも必要ではない?

そのとおりです。
すべての高尿酸血症に薬が必要なわけではありません。

ただし、以下のようなケースでは薬物治療(尿酸降下薬)が強く推奨されます:

  • 痛風発作を年に2回以上繰り返している

  • 痛風による皮下のしこり(=痛風結節)が見られる

  • レントゲンなどで痛風に関連する関節の破壊が確認されている

一方で、症状がなく、尿酸値が7.0〜8.0程度の方であれば、
まずは生活習慣の見直しだけで経過観察となることが多いです。

今からできる、生活習慣の見直し5選

  1. 水分をしっかりとる
     尿量を増やして、尿酸の排出を促します。

  2. アルコールを控える
     特にビールはプリン体が多めです。

  3. 甘い清涼飲料水を減らす
     果糖は尿酸値を上げやすいため注意が必要です。

  4. 体重管理を意識する
     肥満は尿酸値の上昇リスクを高めます。

  5. 野菜・海藻・乳製品を積極的にとる
     尿をアルカリ性に保ち、尿酸の排出を助けます。

📝 まとめ

「尿酸値が高い」=すぐに薬、ではありません。
まずは生活習慣の見直しからスタートしましょう。
それでも改善しない場合や、合併症があるときには、薬による治療が必要になることもあります。

💬 最後にひとこと

「いつか」ではなく、「いま」が変わりどき。
日々の積み重ねが、健やかな明日を育てます。
将来の自分のために、「いま」できることから始めてみませんか?

ご不明な点やご相談がありましたら、お気軽にご来院ください。

 

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