【欠乏シリーズ 第四弾】だるさ・足のつり・不整脈…その原因、カリウム不足かも?
― 電解質のバランスが崩れると、カラダは動かなくなる ―
日々の診療の中で、なんとなく「疲れやすい」「足がつる」「動悸がする」といった症状を訴える方がいらっしゃいます。
こうした症状の裏に、カリウムの不足が隠れていることがあります。
今回は、体の電解質バランスを保つうえで欠かせない「カリウム」の働きと、欠乏による症状について解説します。
🔻 カリウムは“細胞の中”の主役
カリウムは、ナトリウムと並んで体内の電解質バランスを調整する重要なミネラルです。
特に、筋肉や神経、心臓の正常な働きに欠かせません。
🔻 不足すると“電気信号”が乱れる
カリウムが不足すると、細胞の中と外の電気的なバランスが崩れ、以下のような症状が現れます。
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筋力低下・全身のだるさ
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筋肉のけいれん(足がつる)
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動悸・不整脈(重症で致命的になることも)
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便秘・食欲不振
「なんとなく不調…」という症状の背景に、カリウム欠乏が隠れているケースは意外と少なくありません。
🔻 カリウムが不足しやすい人は?
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利尿薬と内服中の方(心不全など)
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下痢や嘔吐が続いた方
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激しい発汗がある方
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高齢者や低栄養状態の方
これらの方は、体外へのカリウム喪失が多く、慢性的に不足していることがあります。
🧪 血液検査でわかります
血液検査で「血清カリウム濃度」を調べれば、カリウムの不足がわかります。
ただし、カリウムは主に細胞内に存在するため、まれに血液検査で値が正常でも、体内では相対的に不足していることがあります。
🌿 食事と補充のポイント
カリウムは、バナナ・アボカド・ほうれん草・じゃがいもなどに豊富です。
ただし、腎臓の機能が低下している方では摂りすぎに注意が必要です。
治療や補充は、医師の判断のもとで行うのが安心です。
🔍 まとめ
カリウムは、体の電気的な働きを支える「縁の下の力持ち」。
その不足は、日常の体調不良から命に関わる不整脈まで、さまざまな形で現れます。
当院では、電解質バランスを含めた血液検査を行い、症状に応じた適切な評価・治療をご提案しています。