帯状疱疹ワクチンが「認知症」も防ぐ? 最新研究まとめ
結論:帯状疱疹ワクチンは、認知症の発症リスクを大きく下げる可能性があります。
これまで帯状疱疹を防ぐために使われてきたワクチンですが、近年の世界的な研究により、「認知症予防」という嬉しいメリットがあることがわかってきました。
① 認知症リスクが「20〜50%」も低下
アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなど複数の国で行われた信頼性の高いデータ分析によると、ワクチンを接種した人は、していない人に比べて認知症になるリスクが20%から最大約50%も低くなることがわかりました。
現在主流のワクチン(シングリックス)でも、昔ながらの「生ワクチン」でも、どちらも確かな認知症の予防効果が確認されています。ただし、帯状疱疹の予防という観点からは、シングリックスのほうがお勧めです。
② なぜ脳を守れるのか?
帯状疱疹の原因ウイルスは、普段は私たちの神経の奥に静かに潜んでいます。これが目覚めて暴れ出すと、脳の神経にダメージを与えたり、炎症を起こしたりして、認知症の引き金になると考えられています。
ワクチンを打つことで「ウイルスが目覚めるのを防ぐ」「神経の炎症を抑える」ことができ、結果的に脳を守ることにつながっているようです。
③ 今のところは「嬉しい副産物」
現在、このワクチンはあくまで「帯状疱疹の予防」として推奨・認可されています。「認知症予防のためのワクチン」としては、まだ国や学会の正式なガイドラインには記載されていません。
しかし、帯状疱疹のつらい痛みを防ぎつつ、将来の認知症リスクも下げられる可能性があるため、接種するメリットはさらに大きくなったと言えます。
当院での帯状疱疹ワクチン接種のご案内
当院では帯状疱疹ワクチン(シングリックスと生ワクチン)の接種を行っております。帯状疱疹の予防はもちろん、認知症リスクの低減という観点からもぜひご検討ください。
※2025年4月より、65歳の方を対象に定期接種が始まっています。また、70歳、75歳等の節目年齢を迎えられる方も経過措置の対象となります。詳細は自治体の窓口へお問い合わせください。
参考文献
・Eyting M, Xie M, et al. "A natural experiment on the effect of herpes zoster vaccination on dementia." Nature, 2025
・Pomirchy M, et al. "Herpes zoster vaccination and dementia occurrence." JAMA, 2025
・Rayens E, et al. "Recombinant zoster vaccine is associated with a reduced risk of dementia." Nature Communications, 2026
・Yin Y, et al. "The association between herpes zoster vaccination and the decreased risk of dementia: a systematic review and meta-analysis." J Alzheimers Dis, 2025
